手を動かして、心を落ち着かせたいとき。
そんなときに、そっと寄り添ってくれるのが「手芸」です。
この記事では、手芸とセルフケアの関係や、手芸の種類と特徴、初心者のための始め方をご紹介します。
手芸とセルフケアの関係
手芸とセルフケアの関係を、「からだ・まわり・こころ」の3つの視点から、やさしく解説します。
からだ|手を使うことで気分が切り替わる
細かい作業に集中していると、呼吸が自然と深くなり、気持ちが落ち着いていきます。
一定のリズムで針を刺したり、糸を巻いたりする動作を繰り返すうちに、少しずつ体がリラックスしていきます。

慣れないうちはつい肩に力が入ってしまうけれど、リズムをつかめると自然と体が動くようになるんだ
まわり|自分らしい空間づくりに
自分のペースで作った作品を飾ることで、空間にぬくもりが加わります。
また、使いやすい道具やお気に入りの布に囲まれると、日々の心地よさを整える一歩にもなります。



既製品にはない「自分だけのお気に入り」を作れるのも手芸の魅力だよ!
こころ|「今」に集中する時間になる
手芸をしている時間は、過去や未来を忘れ、「今ここ」に意識が向きやすくなります。
失敗してもやり直せるという安心感や、完成したときの小さな達成感は、心をじんわり満たしてくれます。
ジャンル別|代表的な手芸の種類と特徴(+必要な道具)
手芸にはさまざまな種類があります。初心者でも取り組みやすく、セルフケアにもつながる代表的なジャンルを、性格や目的に合わせて紹介します。
編み物(棒針・かぎ針)
編み物は、糸を使って布状の形をつくる手芸です。
棒針やかぎ針を使い、糸が少しずつ形になっていく過程にも、静かな楽しさがあります。
一定のリズムで手を動かすことで呼吸が整い、気分もゆったりと落ち着きます。完成までの流れに没頭することで、達成感も得られます。
こんな人におすすめ
- 手を動かしていると落ち着く人
- コツコツ積み重ねるのが好きな人
こんなものが作れます
マフラー/ニット帽/アクリルたわし/ブランケット
必要な道具
- 毛糸
- 棒針 or かぎ針
- とじ針(仕上げに使用)
- はさみ
刺繍(ししゅう)
刺繍は、布に針と糸で模様や文字を描いていく手芸です。
図案をなぞるように、丁寧で繊細な表現を楽しめます。
集中力が高まり、静かな時間に没頭できます。自分のペースで進められるので、穏やかな気持ちを育てやすいです。
こんな人におすすめ
- 細かい作業が好き
- 絵や模様で表現するのが好き
こんなものが作れます
ワンポイント刺繍/くるみボタン/ブローチ/ポーチの装飾
必要な道具
- 刺繍糸
- 刺繍針
- 布(刺繍用、またはハンカチ・巾着など)
- 刺繍枠
- はさみ
ソーイング(洋裁)
ソーイングは布を裁断し、直線・曲線を縫って実用的な小物や衣類を作る手芸です。
日常生活に役立つアイテムを自分で作れるのが魅力です。
自分の手で「使えるもの」を作る体験が、日々の暮らしを少しずつ頼もしく感じさせてくれます。
こんな人におすすめ
- 生活に役立つものを作りたい人
- 服や布小物が好きな人
こんなものが作れます
エコバッグ/ポーチ/カーテン/エプロン/服のリメイク
必要な道具
- ミシン(もしくは手縫い用の針と糸)
- 生地(綿・麻など)
- チャコペン
- ハサミ(裁ちばさみ)
- 定規・メジャー
- 糸通し
フェルトクラフト
フェルトクラフトは、柔らかいフェルトを切って縫い合わせる手芸です。
布端の処理が不要で、初心者にもやさしい素材です。
見た目や触り心地のやさしさに、自然と気持ちもほぐれていきます。短時間で完成するため、達成感も味わいやすいです。
こんな人におすすめ
カラフルでやさしい素材が好きな人
簡単なものから始めたい人
こんなものが作れます
マスコット/ブローチ/子ども用のおもちゃ
必要な道具
- フェルト
- 手縫い針と糸(刺繍糸でもOK)
- 綿(中に詰める用)
- はさみ
- ボンド(貼り付け用)
ビーズ・アクセサリー作り
ビーズやアクセサリー作りは、小さなパーツを組み合わせて、アクセサリーやストラップなどを作る手芸です。
色や形の組み合わせが楽しいジャンルです。
「選ぶ」「組み合わせる」過程に夢中になれて、集中力が高まりやすくなります。完成品を身につける楽しみも◎
こんな人におすすめ
- 短時間で完成させたい人
- 色や形の組み合わせを楽しみたい人
こんなものが作れます
ブレスレット/イヤリング/ストラップ/キーホルダー
必要な道具
- ビーズやパーツ
- テグス、ワイヤー、丸カンなど
- ニッパー・ペンチ
- 留め具・金具類
- ピン・カン付きパーツ
パッチワーク・キルト
パッチワーク・キルトは、布をつなぎ合わせて模様やパターンを作り、タペストリーや布小物を仕立てる手芸です。
布選びや配色が楽しい手芸です。
小さな布の組み合わせが形になることに癒される人も。作業を積み重ねることで安心感と没頭感が得られます。
こんな人におすすめ
- 布や色の組み合わせを考えるのが好きな人
- ゆっくり取り組みたい人
こんなものが作れます
タペストリー/クッションカバー/ランチマット
必要な道具
- 布(ハギレでもOK)
- 手縫い針と糸(またはミシン)
- 型紙・チャコペン
- キルト芯(ふわっと仕上げたい場合)
- はさみ
初心者向け|手芸をセルフケアにするヒント
手芸を始めるとき、無理なく取り入れるコツをご紹介します。
- 時間を区切る
「10分だけ」「このモチーフ1つだけ」と決めて始めてみると、気負わずに取りかかれます。ちょっと手を動かすだけでも、気分が変わるかもしれません。 - 準備をシンプルに
具は必要最低限で大丈夫。お気に入りの1〜2つがそばにあれば、気軽に「はじめの一歩」が踏み出せるかもしれません。 - 完璧を求めない
歪んでも不揃いでも、それも「手づくりの味」。気楽に楽しむくらいがちょうどいいかもしれません。 - 「飾る・使う・贈る」楽しみも
できあがった作品は、誰かに見せたり使ったりすることで、あたたかい気持ちが広がっていきます。自分をちょっと誇らしく思えるかもしれませんね。
チェックリスト|こんなときは手芸セルフケアがおすすめ
「手芸をやってみようかな?」と迷っている方は、ぜひチェックリストを活用してみてください。
気分・性格・悩み | おすすめの手芸ジャンル | コメント |
手を動かすと落ち着く人 | 編み物、刺繍 | リズムのある作業がリラックスに◎ |
細かい作業が好きな人 | ビーズ、刺繍 | 丁寧に進めることで集中力アップ |
実用品を作るのが好きな人 | ソーイング、フェルトクラフト | 日用品づくりで「使える達成感」も得られる |
色や素材で遊びたい人 | パッチワーク、アクセサリー | 組み合わせを考える楽しさも味わえる |
時間があまり取れない人 | フェルト、ビーズ | 短時間で完成するものから始めてみよう |
イライラやモヤモヤを感じている人 | 編み物、刺繍、キルト | 一針一針に気持ちを込めると、感情が整いやすい |
おわりに|あなたに合った「つくる時間」を見つけよう
手芸は、ただの「ものづくり」ではなく、あなた自身と向き合う、やさしい時間にもなります。
無理に上手に作ろうとしなくても大丈夫。
「なんとなく、やってみたいな」
その気持ちだけでも、自分を整える一歩です。
あなたの暮らしと気持ちにちょうどいい「つくる時間」、ぜひ見つけてみてくださいね。