「なんとなく落ち着かない」「静かすぎて集中できない」
そんなふうに、音にまつわる感覚で困ったことはありませんか?
この記事では、心と体のセルフケアのひとつとして「音」をどう取り入れ、整えていくかの基本をやさしくご紹介します。
生活音や環境音、静けさやホワイトノイズなど、音とのつきあい方は人それぞれ。
今のあなたに合う音との距離感を見つけてみてくださいね。
音と心の関係|なぜ音がセルフケアになるの?
日常の音に少し目を向けてみると、自分の心の状態に気づきやすくなることがあります。ここでは、「心を中心に、音が感覚にどう作用するか」をやさしく見ていきましょう。
音は「刺激」でもあり「癒し」にもなる
音は、日常のなかで無意識に私たちの気分や感情に影響を与えています。
ときには緊張感を生み、ときには安心感や心地よさをもたらすことも。
たとえば、小さな音にも敏感になる日は、心が少し疲れているサインかもしれません。
逆に、鳥の声や川のせせらぎを聞いてほっとした経験がある方も多いのではないでしょうか。
無意識に受けている“音のストレス”
テレビの音、人の声、エアコンの風音、パソコンの操作音など。
現代の暮らしには、目立たなくても常に「音」が存在しています。
それらが積み重なると、知らないうちに疲れやストレスの原因になることも。
だからこそ、音を「整える」ことは、自分をいたわる一歩につながります。
リラックスにつながる音環境とは?
安心できる音、心地よいと感じる音は、人によって違います。また、その時の疲れ具合や気分によっても変わるものです。
「音があると落ち着く」
「静かでないと疲れる」
どちらも正解です。
なので、今の自分にとってちょうどいい音環境を探してみるのがおすすめですよ。
音の種類と特徴|生活にある“音”のパターン
ここでは、私たちの身の回りにある音環境の主な種類をご紹介します。
生活音・環境音
冷蔵庫の運転音、車の走行音、隣人の話し声など。
音として意識しないうちに聴き続けているのが生活音です。
集中を妨げることもありますが、ある程度の「にぎやかさ」が落ち着く人もいます。
自然音
雨音、風、鳥のさえずり、木々のざわめきなど、自然に由来する音。
呼吸がゆっくりになったり、緊張がほどけたりと、リラックス効果があると言われています。
YouTubeや音楽配信アプリで自然音を取り入れられますよ。
ホワイトノイズ・ピンクノイズ・ブラウンノイズ
一定の周波数をもつ「ホワイトノイズ」「ピンクノイズ」「ブラウンノイズ」は、周囲の音をかき消す作用があり、安眠グッズにも活用されています。
個人差はありますが、「全くの無音だと落ち着かない」人にはぴったりです。
こちらもYouTubeや音楽配信アプリで取り入れられますよ。
静けさ(無音に近い状態)をつくる
一方で、外からの音をシャットアウトして「無音に近い状態」をつくるのもひとつの方法です。
- 耳栓やイヤーマフ
- ノイズキャンセリングイヤホン
- 静かな空間を選ぶ
など、物理的に音を減らす手段もセルフケアの選択肢として有効です。
セルフケアの視点で音を選ぶ|からだ・まわり・こころ
音は、ただ聞くだけではなく「整えるための手がかり」にもなります。
ここでは、からだ・まわり・こころという3つの視点から、音とのつきあい方を考えてみましょう。
からだ|身体のリズムをゆるめる音
- 寝る前に静かな音を流す(川のせせらぎ・ホワイトノイズなど)
- 朝、優しい音で目覚める(鳥の声・オルゴール音など)
→ 呼吸や心拍が整いやすくなり、眠りの質や目覚めの心地よさにもつながります。
まわり|集中や切り替えをサポートする音
- 作業中に軽いカフェ音や自然音を流す
- 家事中にリズムのある音を流す
- 「生活音」をノイズとして感じる場合は遮音する
→ 気持ちの切り替えや、集中力アップに役立ちます。
こころ|感情の揺れを整える音
- イライラしたときに波音を流す
- 寂しさや不安があるときに、耳に心地よい音を探す
- 無音に近い静けさに身を置き、内側に意識を向ける
→ 感情が高ぶったときのセルフケアとしても有効です。
※ここでは音楽という選択肢もありますが、詳しくは別記事でご紹介します。
音を減らすセルフケア|静けさを選ぶということ
音を取り入れるだけでなく、「音を減らす」ことも心を整える手段になります。
静かな時間が心を整えることもある
極力音のない静かな環境では、思考が静まり、自分の感情や状態に気づきやすくなります。
瞑想や休息にも向いています。
耳栓やノイズキャンセリングを試してみよう
騒がしい場所や、集中したい場面では遮音ツールが便利です。
- シンプルな耳栓(100円ショップにも)やイヤーマフ
- ノイズキャンセリング付きイヤホン
- 防音カーテンなどの生活改善
「音を取り除く」ことで気分が集中力が整う人も多くいます。
「音がないと落ち着かない」人の選び方は?
音がないと逆に不安を感じる方は、自分が「落ち着く音」を探すのがおすすめ。
たとえば…
- エアコンの風音
- 静かな音楽
- ラジオの小声
「なんとなく安心できる音」は、意外と身近にあるかもしれません。
シーン別おすすめ例|はじめて音を取り入れるなら?
シーンに合った音を選ぶことで、音の力がより感じられるようになります。
シーン | 取り入れたい音例 | 注意点や工夫 |
寝る前 | 雨音/ホワイトノイズ/虫の声 | タイマー設定を活用/音量は小さめに |
朝の目覚め | 小鳥のさえずり/優しいアラーム音 | 目覚まし音がいきなり鳴らないよう、徐々に音量を上げられるタイプがおすすめです |
作業・勉強中 | カフェ音/波の音/ピアノのBGM | 一定のリズムがあるものを選ぶと集中しやすいです |
気分転換・休憩 | 木々のざわめき/水音/好きな自然音 | 短時間で切り替えることでリフレッシュ効果が期待できます |
チェックリスト|自分の「音感度」を知ろう
以下に当てはまる項目が多いほど、「音による影響」を受けやすい傾向があります。
- 周囲のちょっとした音が気になる
- 無音だと落ち着かない
- テレビの音や会話がうるさく感じるときがある
- 雨や風の音に安心することがある
- 音楽や環境音で気分が変わる実感がある
- 静かな場所が好き/逆に不安になる
- 作業中に音があると集中できる or できない
チェックが3つ以上ついた方は、「自分の音環境」を少し意識してみると、暮らしがラクになるかもしれません。
もちろん、疲れているときや心が不安定なときに一時的にチェックが多くなることもあります。そんなときは、自分の心や体が疲れているサインと思い、やさしく労わってあげてくださいね。
おわりに|「音」が暮らしにやさしく寄り添うように
音は私たちの気づかないところで心身に影響を与えています。
でもそのぶん、「音を整えること」が、日々のセルフケアにもつながります。取り入れるも、減らすも、どちらもOK。
自分にとって「ちょうどよい音」とのつきあい方が、毎日のやさしい支えになりますように。

「音を聞きたくないな…」って思うことも、きっとあるよね。
そんなとき、すぐに対処できなくても大丈夫。
「自分はどんな音の中だと落ち着けるのか」って知っておくことだけでも、とっても大切なんだ。
その場では難しくても、あとからでもいいから、自分をやさしくいたわってあげてね。