「しっかり寝たはずなのに疲れがとれない」「寝つきが悪くて毎晩つらい」 そんなふうに感じていませんか?
この記事では、睡眠の基本となる知識と、生活の中で取り入れやすい整え方を紹介します。
睡眠は、体と心の回復にとって欠かせない時間。 けれど、がんばって努力するよりも「自然に整う環境」をつくるほうが、実はうまくいくことも多いのです。
まずは、今のあなたのリズムや気分に合いそうなところから、気軽に読んでみてくださいね。
睡眠はなぜ大切なの?
睡眠は、毎日の体調や気分に知らないうちに影響を与えています。
睡眠が心と体にどんなふうに関わっているのか、そしてどこから整えていけばいいのかを知ることは、眠りとの付き合い方のヒントになるかもしれません。
からだとこころに影響する「眠り」
睡眠は、身体や脳を休めるための時間です。 記憶の整理・感情の調整・免疫機能の回復など、健康を維持するために欠かせない役割を果たしています。
眠りが浅い、短い、質が悪いといった状態が続くと、次のような変化が起こりやすくなります。
- 疲労がたまりやすくなる
- イライラしやすくなる
- 集中力や判断力が落ちる
- 食欲やメンタルのバランスが崩れやすくなる
「なんだか調子が悪いな」と思ったときは、睡眠から見直してみるのもひとつの手です。
「質」も「時間」もどちらも大切
睡眠は「どれだけ長く寝たか」だけでなく、「どれだけ深く眠れたか」も大切です。
たとえば8時間寝たとしても、夜中に何度も目が覚めていたり、眠りが浅かったりすると、十分に休息を取ったとは言えません。
深く眠るためには、体と心のリズム、そして環境づくりが重要になります。
どのくらい眠ればいいの?
必要な睡眠時間は人によって異なりますが、日本人の成人では 7〜8時間程度 が目安とされています。
ただし、長く寝れば寝るほど良いというわけではありません。
- 日中に眠くならず、心身の調子が整っているかどうか
- 目覚めたときに「休めたな」と感じられるか
といった感覚の方が、自分にとっての適切な睡眠時間を知るヒントになります。
睡眠を整えるためのヒント
睡眠を整えるために、最初に「からだ」「まわり」「こころ」の3つの視点から見直してみることをおすすめします。
ここでは、それぞれの視点からできることを、無理のない範囲でご紹介します。
今の自分に合いそうなところから、ひとつずつ取り入れてみてくださいね。
1.からだ|身体のリズムから整える
人の体は、朝の光を浴びることで体内時計がリセットされます。
朝の時間にカーテンを開ける・軽く体を動かす・決まった時間に起きる、などの習慣を作ることで、夜自然と眠くなりやすくなります。
また、日中の適度な活動(散歩や軽い運動)も、夜の深い眠りにつながります。
2.まわり|眠るための環境を整える
眠るための環境は、次のような要素が影響します
- 寝室の明るさは暗めが◎
夕方以降は寝室に限らず、室内の照明を柔らかくして過ごすこともおすすめですよ。 - 温度・湿度を快適な範囲で調整する
温度・湿度計を設置し、どの程度なら自分が快適に感じられるかを普段からモニタリングしておくと良いですよ。 - 音を静かで落ち着ける空間に
自分以外の出す音、例えば家族の出す音や集合住宅で生活音が気になる時は、ノイズキャンセリングイヤホンや、イヤーマフなど耳栓になるものを用意しておくと安心です。 - 寝具は合った枕・マットレス選びを
季節や体調に合った寝具を選んだり、体に合う枕やマットレスを選ぶことで快適な睡眠に繋がりますよ。
また、寝る直前にスマホやテレビなどの画面を見ないことも効果的です。
3.こころ|気持ちの切り替えをつくる
心が落ち着いていないと、眠気がきていてもなかなか寝つけないこともあります。
寝る前にルーティンとして「香りをかぐ」「日記を書く」「ストレッチをする」など、“入眠のスイッチ”になる行動を取り入れるのもおすすめです。
→ アロマは日常に取り入れやすいスイッチの一つになります。
また、「明日が不安」「考えごとが止まらない」といったときは、考えないようにする努力ではなく、別の行動に意識を向けるのが効果的です。
本を読む、翌日の準備を行う(確認する)、温かいハーブティーを飲むなど、自分が落ち着ける行動を試してみるのはいかがですか?
「それでも睡眠の悩みが続くとき」自分だけで抱えず相談を
- 眠れない日が何日も続く
- 寝ても寝ても疲れがとれない
- 日中の眠気が強くて困っている
このような場合には、自己判断でがんばりすぎず、睡眠外来や医療機関に相談することも検討してみましょう。
睡眠薬についても、必要なときは専門家の判断のもとで使用することが大切です。
ここで紹介したような睡眠を整える工夫はお薬と並行して役立つはずですよ。
自分に合う整え方を探す|できることから始める・記録する・眠れなくても気に病まない
睡眠の整え方は、人によって合う方法や続けやすさが違います。
「これならできそう」と思えることから試していくことで、自分らしいリズムが少しずつ見つかっていきます。
完璧を目指すより、続けやすさを大切にしながら探っていきましょう。
できることから始める|まずはひとつだけ
睡眠を整えるとき、大きく変えようとするとかえって疲れてしまうこともあります。
まずは「スマホを寝る1時間前にやめてみる」「カーテンを少しだけ開けて眠る」など、ひとつだけ取り入れてみるのがおすすめですよ。
睡眠を記録する|記録して気づく「自分の傾向」
寝る時間・起きた時間・寝る前の気分・その日の疲れ具合などを、手帳やスマホにメモしておくと、自分にとって合うリズムが少しずつ見えてきます。
「この日はよく眠れたな」という日を参考にすると、整え方のヒントが見つかりやすくなります。
睡眠を記録できるアプリやスマートウォッチの導入もおすすめですよ。
眠れなくても気に病まない|「調子が悪い日」も想定内にしておく
どれだけ整えていても、気温・ホルモンバランス・仕事や人間関係のストレスなどで、眠れない日があるのは自然なことです。
「今日は眠れなくてもいい」と思える心の余白も、眠りを整える大切な要素のひとつです。
おわりに|眠りは「自分をいたわる」時間
睡眠は、がんばる時間ではなく、ゆだねる時間です。
「眠れないからダメ」と思うのではなく、「整えることもできる」と視点を変えてみるだけで、眠りとの関係は少しずつ変わっていきます。
自分にとっての心地よい眠りを、焦らずゆっくり探していきましょう。
あなたが、安心して休める夜を過ごせますように。