「運動が体にいいのはわかってるけど、なかなか続かない」
「何から始めればいいのかわからない」
そんなふうに感じている方へ、この記事では「運動の基本的な知識」と「無理なく始めるためのヒント」をやさしくご紹介します。
がんばりすぎなくても、少しずつ続けるだけで体と心の調子は変わっていきます。
今の自分に合いそうなものを見つける手がかりにしてみてくださいね。
運動の必要性|体と心に効くセルフケア
日常生活での活動が減った現代では、意識的に体を動かすことがますます大切になっています。
ここでは、「運動不足の背景」「なぜ運動が必要なのか」「どんな影響があるのか」を、体と心の両面から見ていきましょう。
現代人の運動不足の背景|まずは気付くことが大切
現代の暮らしでは、運動不足になってしまうのも実はとても自然なことです。
日々の暮らしの中で、体を動かす習慣を続けるのは、決してかんたんではありません。
- 毎日の通勤や長時間の仕事で、そもそも運動の時間をとるのがむずかしい
- パソコンやスマホがあれば、仕事も遊びも買い物も、座ったままでできてしまう
- 車移動やエスカレーター、宅配など、「便利」が当たり前になっている
- 安心して運動できる場所が、身近にないこともある
- 疲れていたり、気持ちが落ち込んでいると、動こうという気力がわかない
どれかひとつでも心当たりがあるなら、それはあなたのせいではありません。
大切なのは「できていないこと」ではなく、「気づいたときに、少しだけでも動いてみようかな」と思えることです。
運動がもたらす体への影響
運動不足が続くと、筋力の低下・体重の増加・代謝の低下などが起こりやすくなります。
また、肩こりや腰痛、便秘、血行不良といった不調にもつながります。
一方で、適度に体を動かしていると、
- 体力や持久力がつく
- 姿勢や動作が安定する
- 血流や代謝が改善する
少しずつこうした変化が感じられるようになります。
これらが整うと
- 階段の上り下りが楽になる
- 疲れにくくなる
- 体調の波が穏やかになる
- 日中の活動がスムーズになる
といった、日常生活の快適さにもつながります。
運動はこころにも良い影響がある
運動は、体だけでなくメンタルにもよい影響を与えることがわかっています。
体を動かすことで、気分が少し軽くなったり、頭の中がスッキリしたりすることがあります。
たとえば、
- 気持ちの切り替えがしやすくなる
- 不安感やストレスがやわらぐ
- 睡眠の質がよくなる
など、「なんとなく気持ちが落ち着く」「前向きになれる」きっかけになることも。
「考えすぎてしまう」ときや「なんとなく気持ちが重い」と感じるときに、軽く体を動かすだけでも、気分が変わることがありますよ。
気づいたときに始められるのが理想
運動は、続けられるかどうかよりも、「思い出したときにまた始められる」ことが大切です。
休んだ期間があっても、自分を責めずに「また今日から少しだけ動いてみよう」と思えるだけで十分。
体と心の調子をととのえるための運動は、自分のタイミングで取り組んで大丈夫です。
どのくらい動けばいいの?|成人に推奨される運動量
「運動が必要」と言われても、どのくらい動けばいいのか分かりにくいですよね。
ここでは、厚生労働省のガイドラインをもとに、大人にとってちょうどいい運動量の目安を見ていきましょう。
厚生労働省のガイドライン
健康づくりのために推奨されているのは、
- 1日60分程度の身体活動
(歩行・家事などを含む) - 週に150分以上の中強度の運動
(早歩き・軽いジョギング・水泳など)
これを聞くと「そんなに無理…」と思うかもしれませんが、通勤・買い物・掃除などの生活動作も含めてOKです。まずは今より「少し多く動く」くらいの感覚で取り入れることが大切です。
たとえば、1日の中での動きの目安
- 通勤や外出で早歩きを10分(往復で20分)
- 家事や掃除で20分(掃除機をかけたり洗濯物を干したり)
- 階段の上り下りや買い物中の歩行で10分
- 夜にストレッチやラジオ体操などの軽い運動を10分
このように、小さな動きを積み重ねることで、1日60分の身体活動を自然に満たすことができます。
ポイントは「息が弾むくらいの活動」
運動の強度は、「息が少しはずむ」「軽く汗ばむ」と感じるくらいが目安になります。
息が弾むくらいの運動の例
- 早歩き
- エレベーターではなく階段を使う
- 子どもと一緒に遊ぶ
- 音楽に合わせてストレッチをする
これらも、立派な運動です。
「運動」と聞くとハードなイメージを持ちがちですが、“今の自分でもできそうな動き”を見つけることから始めてみましょう。
まずはここから|無理なく始める運動習慣
「始めるのが難しい」と感じるときこそ、簡単で手軽な方法から。
ここでは、すぐに取り入れられる3つの運動スタイルをご紹介します。
すきま時間でできる軽い運動
朝起きたとき・テレビを見ながら・歯磨き中など、日常のすきま時間を活用すると、自然と習慣になりやすくなります。
隙間時間の運動の例
- 肩をまわす
- 首をやさしく伸ばす
- 足踏みをしながら料理する
デスクワーク中の運動の例
- 椅子に座ったまま肩甲骨を動かす
- こまめに立ち上がって軽く背伸びする
- 足首を回す
など、体をほぐすだけでもスッキリ感が違ってきます。
体が「動くこと」に慣れるだけでも、疲れにくさや気分の軽さに変化が出てきます。

普段から自然とやっていることも多いかもしれないね。少し意識して回数を増やしてみるのも良いと思うよ
イスに座ったままでもOK
体力に自信がないときや、体調がすぐれないときは、座ったままできる運動から始めましょう。
- 椅子に座って膝を上げる
- 足首を回す
- 肩甲骨をゆっくり動かす
ゆったりした動きでも、血流が促されてポカポカしてきますよ。
歩くだけでも立派な運動
「歩く」はもっとも手軽で効果的な運動のひとつです。
- 通勤時にひと駅分歩く
- 買い物で遠回りしてみる
- エスカレーターより階段を選ぶ
ほんの少しの工夫で、運動量を無理なく増やせます。



深呼吸してのびをするだけでも、いいリセットになるよ!
おわりに|運動は「自分をいたわる」時間
運動は、誰かと比べるものではなく、「今日の自分をちょっと整える」ための時間です。
がんばりすぎず、思い出したときに少しだけ。
それだけでも、体と心はちゃんと応えてくれます。
あなたにとって心地よい運動習慣が、日々のなかで自然に育っていきますように。